NARCO & Eat and present
「魔法じかけの言葉 vol.3」
トーク
能勢陽子 (豊田市美術館学芸員)
ライブ
世紀マ3
NARCO
おやつ
Bon!
2013年5月26日(日) 14時30分開場 / 15時開演 (18時00分終了予定)
会場: parlwr(パルル) 名古屋市中区新栄2-2-19
URL: http://www.parlwr.net/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当日の様子
魔法じかけの言葉vol.3
お越し頂きありがとうございました!
さわやか女子三人組のお菓子ユニットBon!
自家製ジンジャーエールにジャスミンソースの杏仁豆腐
ガトーショコラ!可愛い♡パッと花が咲きました。
とっても美味しかったです!
その隣にはサンバタウンゼジさんのアルコールコーナー!
カイピリーニャにスーパーボック。大盛況!
「魔法じかけの言葉」共同開催者、新見さんの紹介で
トークゲストの能勢陽子さん
とってもキュート♡
2008年に豊田市美術館で行われた
「Blooming: ブラジルー日本 きみのいるところ」
についてたくさんお話を聴かせていただきました。
能勢さんは学生時代からカエターノが好きだったそう!
この展覧会の為にネトのアトリエなどなど、
5回ブラジルに行かれたそうです。
日本ブラジル移民100周年を迎えた2008年。
日本各地でブラジルの作家を紹介する展覧会が開かれる中、
この展覧会では現代作家の新作を、
しかも豊田に来てそこで作ってもらったそうです。
この100年間の人の移動を通して、植物の種子の混交の様に、
新しいものが花開くようにと思いをたくしたタイトル、
Bloomingに呼応した作品も多く見られました。
ナショナルアイデンティティにしばられたくないとの考えから、
90年以降の作家にしぼり、島袋道浩さんや川内倫子さんにも
参加してもらったそうです。
といっても、社会問題が見え隠れするのがブラジル。
パウロ・クリマシャウスカの作品は、
遠くから見るとモダニズム建築を線で描いた絵のように見え、
近づくと線ではなく、全て数字−1の引き算を0になるまで繰り返した
数字で描かれていることがわかります。
ユートピア的な未来を思い描いていた時代の建築物を-1で解体。
批判的な要素を持ちつつも、最後は実は”00”とゼロを2つ描いて
無限大を表し、ボジティヴに締めくくっています。
バイーア出身のマレッペは、
空に浮かぶ雲を綿菓子のように食べる作品など、
子供の頃に抱く夢のような、とてもポエティックな作品が多いです。
でも、背景にはその甘い砂糖産業のために黒人奴隷が連れてこられた
という歴史があります。
トニーコ・レモス・アウアッドは、
削ってしまったら終わりという様な永続性のない作品を作っています。
くじのようなシルバーインクを削ると、下から海の女神様イエマンジャー、花やお菓子、中指を突き立てたジェスチャーなど色んな絵が出てきます。
人が願い事をする時に抱いてしまう夢を、ちょっとチープなキラキラした砂浜と共に表しています。(初日に全て削られてしまったそう!)
他の作品も、
絨毯の綿毛を少しずつかき集めて作ったうさぎや、頭部の無い猿など
移り変わりいつか終わりが来る”生”そのものをユーモラスに表すような作品となっています。
モニカ・ナドールは、
限られた人々のための閉じた現代美術の世界に閉塞感を感じ、
サンパウロのファベーラの近くにアトリエを構えています。
住んでいる人の好きな物を聞いてモチーフを作り、
ファベーラの家の壁にステンシルで模様を一緒に付けていきます。
壁が素敵になると、住んでいる人もアクティヴに変わる!
人間に働きかけて、実人生にも影響を与えてしまうアート。
美術館のある豊田市には、たくさんのブラジル人が暮らしています。
クラスの3分の1がブラジル人という豊田市の東保見団地の
小学校では、モニカのワークショップも行われたそうです。
島袋さんは、
明石のタコを東京見物に連れて行き、海に帰すという映像作品を
ヘペンチスタ(即興詩人)に見せて、即興で歌ってもらった様子を
上映していました。説明をしても、彼らにはこれがアートだという意味
がわからなかったそうで、
島袋さんは漁師ということになっていて、すれ違いが面白い作品です。こちらの作品は音楽が流れるので、他の展示室に断りをいれたそうですが、皆さん、音漏れなんて気にしないよと言ってくれたそう。
60年代。音楽と美術が密接だった時代。
カエターノがエリオ・オイチシカの着る絵画
”パランゴレ” を纏ったように、
トロピカリアという作品と音楽がリンクしていったように、
この展覧会にも音楽の要素を入れたいという想いから、
島袋さんの作品にも登場している、
モレーノ・ヴェローゾの人生初のソロライブが実現したそうです。
能勢さんは、
リラックスした温かな許容力のある展覧会としてみせたかった
とおっしゃっていましたが、まさに!で、
エピソードにもブラジルの好きなところが
いっぱい詰まっていました。
やっぱり、ブラジルにはヒントがたくさん。
私達も、新しい花が生まれていくような
そんなイベントを続けて行きたいと、想いを強めた一日となりました。
ライブゲストは世紀マ3
即興的に演奏されるギター シンセ カンカラ三線。
ぐるぐると浮遊するサウンドに 少しダークな映像。
私小説を読んでいるかのような、えぐられるメッセージ。
唯一無二の存在感でした。
見るたびに内容も印象も違うので、ライブは毎回必見です!
そして私達ナルコ
お客様から写真を拝借
今回は世紀マ3の斉藤さんがデザインしてくれたミニドラムを持ち込み
ライブをしました!
なかなか危うかったですが見た目は良い感じ!
これからドラムも頑張ります!
そして、前回より恒例となりましたオオノさんのブラジル音楽家列伝
今回はテーマに合わせて何と!エルネスト・ネトとマリーザ・モンチ!
エリオ・オイチシカの流れを汲むアーティスト、
エルネスト・ネトについてはこちらで。
能勢さんも絶賛されてました!
このような密度の濃い3時間。
みなさま、ありがとうございました!
遠方からも是非遊びに来て下さいませ~。